今回は、五十嵐 律人(いがらし りつと)さん作のミステリー小説『法廷遊戯』を読みました。
法をテーマにしたミステリー小説でとても面白かったです😄
五十嵐 律人さんは、東北大学法学部を卒業後、法科大学院を修了し、現在は弁護士として仕事をしながら執筆活動をされています。
現役の弁護士だからこそ書ける法律をテーマにした作品が多く、
法律ミステリー作家として有名になっています。
『法廷遊戯』は、そんな五十嵐さんのデビュー作です。
デビュー作なのに、途轍もない完成度で第62回メフィスト賞を受賞しており、
来月には映画の公開が予定されている話題作です(^-^)
あらすじ
久我清義と織本美鈴は法律家を目指し、ロースクールに通っている学生だ。
そのロースクールでは、「無辜ゲーム」というゲームが時折開催されている。
それは、学生の誰かが自分の保護法益を侵害された時に開催され、
自分が被害者かつ検察官の役割を担い、犯人を指名し、犯人の悪事を証明する。
場所は、普段授業で使うこともある模擬裁判室で行う。
指名した人物が犯人であることの十分な立証ができれば、
検察官の主張が認められ、犯人には相応の罰が与えられる。
十分な立証ができたかどうかは、審判者として、ロースクールの中の一番の秀才である結城馨が判断する。
最初は、お金が盗まれたりと小さな犯罪だったが、ついには人が死ぬ事態にまで発展していく・・・
感想
法律ミステリーとして話題となった本作ですが、現役の弁護士である五十嵐さんだからこそ書ける、
法律とは何か、裁判とは何か、を深く掘り下げられた小説で、とても考えさせられました🤔
作中のロースクールでの授業で出てきた、「冤罪と無罪の違い」や清義が弁護士となってからの「裁判までの流れ」など、
とてもリアリティがあって興味深かったです。
私も学生時代は法学部に所属していたこともあり、「違法性阻却事由」や「比較衡量」などの単語が出てくると懐かしい気持ちになりました笑
物語自体も内容が濃く、「ロースクール時代の無辜ゲーム」や「清義と美鈴の過去の罪」、「薫の復讐」が徐々に繋がっていき、一つの物語となるのがきれいで凄いなと感じました。
薫の死について、てっきり薫が美鈴に罪をきせるために自分でナイフを刺したと思っていたのですが、しっかり美鈴が殺していたのが驚きでした笑
美鈴の、清義を守るためなら人を殺すことも厭わない思いに胸を打たれました。
結果としては、美鈴の努力も虚しく、清義は自分の過去の罪の報いを受けるため自首することを決意しますが、二人の歪んではいますが純粋な愛の形を見られてよかったです。
最後のシーンが映像化されたら、泣いちゃいそうですね笑
薫の胸中についても考えさせられました。
冤罪で逮捕・起訴され、有罪判決を下され自殺に追い込まれた父親の無念を晴らすべく、復讐を決意しました。
冤罪の原因を作った美鈴と清義だけでなく、無罪の父へ有罪判決を下した司法に対しても同時に復習すべく、薫が考えた計画が、自分が美鈴に殺害されたように見せかけ、
裁判を開かせて、そこで美鈴の過去の罪と父の冤罪を明らかにすることだったのです。
よく考えられた計画で、美鈴と清義が通うロースクールに、既に司法試験に合格している薫が進学した理由や父親が亡くなってから計画を実行に移した理由など、
全てが考え尽くされており、薫の復讐に賭ける想いの強さが分かりました。
法律とは何か、人を裁くとは何か、について深く考えさせられながらも、ストーリーとしても面白く、大変満足度の高い作品でした( ^∀^)
映画が公開されたら観てみたいです\(^^)/
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