バリーさん日記

人生の記録用として始めました。のんびりやっていきます(^-^)

72冊目〜そして、バトンは渡された〜あらすじ・感想


今回は、瀬尾まいこさん作の『そして、バトンは渡された』を読みました。

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第16回本屋大賞受賞

作者の瀬尾まいこさんは、1974年生まれで、中学校の国語の先生として教壇に立ちながら、執筆活動を行っていました。教師を退職したのち、2018年に発表されたのが今作で、2019年に第16回本屋大賞を受賞しました。

よくテレビや本屋さんで目にする本屋大賞ですが、どういった賞なのか簡単に調べてみました。

本屋大賞・・・2004年に設立された文学賞で、書店の店員さんが選ぶ「一番売りたい本」が毎年投票により決められます。受賞作品の作者にはクリスタルトロフィーと副賞として副賞10万円が授与されます。

過去の受賞作には、伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』や百田尚樹さんの『海賊とよばれた男』などがあり、ドラマ化や映画化されたものがほとんどです。

 

そんな映えある本屋大賞を2019年に受賞したのが、今作の『そして、バトンは渡された』です。今作も、例にもれず永野芽郁田中圭石原さとみという豪華キャストで映画化されています。

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あらすじ

生まれた時は、水戸優子、その後田中優子となり、泉ヶ原優子を経て、現在は森宮優子。高校三年生の森宮優子は、親の死別や離婚のため、苗字が3回変わっており、母親が2人と父親が3人いる。様々な親からたくさんの愛を注がれて成長していく少女の物語。

 

感想

はじめにこの本の題名とイラストを見たとき、陸上部のリレー競技に打ち込む青春小説なのかなと思いましたが、読んでみると全然違っていました笑。親の死別や離婚のため何度も親が代わっていくお話だと分かり、ちょっと重たそうな話だなと思いましたが、高校三年生の主人公の森宮優子は、冷静で大人びており、自分の状況を決して悲観的に考えておらず、強く生きていて、重たい気持ちにならずに読むことができました。

 

また、この本を通じてたくさんの親子の愛を感じることができました。

生みの母親は、幼い頃に死別し、その後再婚し新しい母親の梨花さんに出会います。ですが、父が仕事の転勤でブラジルへ行くことをきっかけに離婚し、父と離れてしまいます。その後、梨花さんと過ごしていく中で、新しい父親の泉ヶ原さんの家で暮らすことになります。しかし、そこでの生活もそこそこに梨花さんは優子を連れて泉ヶ原さんの家を出て、新しい父親の森宮さんと暮らしていくこととなります。そして、梨花さんが家を出て、最終的には森宮さんと二人で暮らしていくこととなります。

 

たくさん親が代わっている優子ですが、どの親からも愛情の形は違えど、たくさんの愛を受けて育てられてきました。血の繋がった父親は、優子のことをいつも気にかけ、ブラジルへ行ってからも百通以上も手紙を優子に対して送っていました。お金がなかった梨花さんは、ピアノが弾きたいと言った優子に、ピアノを思う存分弾かせてあげられるよう、お金持ちの泉ヶ原さんと結婚し、泉ヶ原さんはそんな優子を温かく迎えてくれて優子に不自由のない生活を提供してくれました。森宮さんは、高校生の優子を責任もって育ててくれて、もう親が代わることはないという安心感を与えてくれました。

 

高校の卒業式の時に担任の向井先生が優子に渡した手紙に書かれていた、『あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない』という言葉が、本当にその通りで、今までみてきた優子の人生を思うと、胸に沁みました(^-^)向井先生いいこと言いますね〜😄作者が学校の先生の経験があることもあってか、時々出てくる向井先生がリアルで、とてもいい味出してます。

 

 

一番最後の父親である森宮さんは、高校生の優子を連れた梨花さんと結婚するにあたり、必ず優子を責任もって育てると心に決めていました。始業式の朝にカツ丼を出したり、年頃の女の子に対し、ニンニクたっぷりの餃子を二日連続で出したりと、どこかずれたところがある森宮さんですが、優子への愛情も深く、常に優子のことを思ってくれています。

 

第二章 優子の結婚

物語の後半は、高校・短大を卒業し、定食屋で働くことになった優子の結婚の物語になります。高校の同級生と結婚することになった優子は、結婚の報告のため、全ての親に会いに行きます。久しぶりの再会になりますが、どの親も優子の結婚を心から祝福してくれます。きっと、離れてからもずっと優子のことを忘れず、大切に思ってくれていたのだろうと思います。

 

ただ、森宮さんだけは優子の結婚相手に納得がいかないようで結婚に反対していましたが、今までの親の喜びや優子の結婚相手の熱意により最後は賛成してくれます。

 

最後の結婚式の場面では、歴代の父親母親が勢揃いし、優子の結婚をお祝いしてくれます。優子と一緒にバージンロードを歩くのを、森宮さんは、優子と血の繋がった父親である水戸さんが適当なのではと提案しますが、優子がそれを許さず、森宮さんと歩くことを選びます。

 

その時に、優子が森宮さんに対して言った言葉が、

『森宮さんだけでしょ、ずっと変わらず父親でいてくれたのは。私が旅立つ場所も、この先戻れる場所も森宮さんのところしかないよ。』です。感涙ですね😂😂

森宮さんとは血は繋がっていないけど、親子の絆はしっかりと繋がっており、親子愛を感じました。

また、これまでは優子目線の語りだったのですが、最後の結婚式の場面では、森宮さん目線で語られており、娘を送り出す父親の気持ちがより伝わるようになっています(^^)

 

 

さすが本屋大賞を受賞された作品だけあって、親子愛が感じられ、心温まる作品でめちゃくちゃ面白かったです(^-^)

映画では、森宮さんを田中圭が演じられており、原作のイメージとピッタリの方だなと思いました。映画もまたの機会に観てみようと思います。

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☆本を1000冊読む    ➡︎72/1000冊

☆映画を1000本観る   ➡︎127/1000本

☆アニメを1000作観る  ➡︎78/1000作

☆ラーメン屋に1000軒行く➡︎32/1000軒

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